■ はじめに
別府には八つの温泉郷があり、その至るところから温泉が湧出し日本一の湧出量を誇る。世界の泉都と言われる所以である。
別府八湯温泉道とは、この数多くの温泉の中から選りすぐられた135湯の内、八十八湯を巡ると、別府八湯温泉道実行委員会公認の「温泉名人」に認定されるという、所謂スタンプラリーのことである
この企画を知った私は、まず別府八湯温泉本を購入したのだが、温泉巡りの前に、この”温泉道”の企画そのものにはまってしまった。
温泉および別府をPRするという趣旨をもとに、レクリエーション要素をふんだんに取り入れ、細かい演出(ギャク)をほどこし、単なる観光客から温泉好きまでを満足させる段階的な内容とし、モチベーションUPのご褒美もきちんと用意され、達成後には”裏千家”と呼ばれる終わりなき世界が”なんとなく”存在しているという奥の深い企画となっている。まさに大人の遊びである。
そして、その完成度の高い企画を解説する”温泉本”がよく出来ていて、わずか70項余りの冊子に、必要な情報が実によく整理されて掲載されている。温泉郷別のインデックス、泉質のカラー表示、的確、簡潔な解説、一枚の地図を見れば、場所、温泉名、割引チケット利用可否もわかるようになっている。その上、温泉以外の観光情報もちゃんと盛り込まれて、別府観光PRの役割もきちんと担っている。
温泉本を細部まで読むだけでもかなり楽しると思う。つまり、参加型の企画でありながら、参加する前から楽しい、という優れものなのである。
まるで、宣伝マンのようになってしまったが、とにかく、街のPRイベントの域を超えた完成度の高い、そして何よりも情熱と愛情を強く感じる企画なのである。
別府八湯温泉道 公式ホームページ

<別府八湯温泉道 内容>
 ・ 選りすぐられた約130湯に入浴してスタンプをためる。
 ・ 初段から名人までの段位が設定されており、スタンプの数で認定される。
   * 8箇所で初段認定(以降8箇所毎に10段まで)、88箇所で名人認定
   * 段位を申請すると、認定証書と段位明記のタオルが進呈される。
 ・ 7段以上は泉生として、各施設の入場無料券、半額券を進呈(約2万円相当)
 ・ 名人になったあかつきには、ひょうたん温泉の温泉殿堂に肖像写真の永年展示、年1回の表彰。
 ・ 温泉道はこれだけけにとどまらず、名人の先には、裏千家(スタンプラリーは表千家と呼ばれる)への道も用意されている。
     * この裏千家にも段位が設けられているが、謎めいた世界となっている。
浜脇温泉郷 松原温泉 
左の壁の蛇口からは土類系の源泉が豪快に流れる。
別府 竹瓦温泉
別府温泉の顔ともいえる風格ある建物。お湯も良かった。