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もはや木曽駒が岳といえば、ロープーウェイ登山があたりまえのようですが・・・。
よく整備された静かな登山道がちゃんとあるのですよ。
山行日 平成12年7月17日・18日
天 候 両日とも:晴れ、夕方曇り/雨
人 数 二人
行 程 17日:駒ヶ根高原⇒北御所沢⇒
    伊那前岳⇒木曽駒山荘 (泊)
18日:木曽駒ケ岳⇒宝剣岳⇒桧尾岳
    ⇒桧尾尾根⇒駒ヶ根高原
アクセス 名神小牧IC⇒小牧Jより中央自動車道へ⇒駒ヶ根IC
西へ約10分程で駒ヶ根高原P
これより先、一般車通行止め
留意点(気づいたこと)
・私が購入した地図には桧尾岳直下の避難小屋に
 水場のマークが記されていたが、涸れていました。
・避難小屋は使用可
・稜線歩きはつい黙々と歩きつづけてしまいましたが
 こまめに休憩をとり水分補給をすることがバテ防止
 のポイント?
2000/7/17 2000/7/18
名称 到着時間 出発時間 歩行時間 累積時間 休憩時間 名称 到着時間 出発時間 歩行時間 累積時間 休憩時間
北御所登山口 10:10 テント場 8:25
蛇腹尾根登山口 11:10 11:20 1:00 1:00 0:10 木曽駒ケ岳 8:45 9:00 0:20 0:20 0:15
清水平 12:15 12:45 0:55 1:55 0:30 宝剣岳 9:40 10:10 0:40 1:00 0:30
うどんや峠 13:15 0:30 2:25 極楽平 10:50 11:20 0:40 1:40 0:30
六合目 13:55 14:00 0:40 3:05 0:05 桧尾岳 13:30 13:50 2:10 3:50 0:20
船窪 14:45 14:55 0:45 3:50 0:10 赤沢の頭 15:55 16:15 2:05 5:55 0:20
山頂テント場 16:45 1:50 5:40 桧尾根登山口 17:30 1:15 7:10
駒ケ岳高原P 18:30 1:00 8:10
総時間(Hr) 5:40 0:55 総時間(Hr) 8:10 1:55
一日目
清水平の水、サイコーにおしいい!!
駒ヶ根高原駐車場はすでに満車にちかい状態で、ロープーウェイ行きのバス亭は案の定長蛇の列です。
 高原というだけあって風はとても気持ちよいけれど、日差しの強いことといったらありません。日焼けなどあまり気にしない私でしたが、そろそろ歳も歳だし日焼け止めクリームを塗りつけて仕度を整えました。
 バスを待つの軽装の観光客が殆どで、テントや食料の入った重いザックを担いでバスに乗りこむのは私たちだけです。これもちょっとした優越感。
北御所登山口で下車する私たちの背中に向かって、運転手さんが「お客さん、最近よく熊が出るから気をつけて」と一言・・・。乗客の皆さんがドッと笑いましたが、私たちは苦笑い、なんとなく「こんなところから登るもんじゃあない」と言われてる気がしました。
日陰のない砂利の林道歩きが体力を消耗し、蛇腹沢登山口からの登りがとても苦しくて、気持ちが悪いのと眠いので、先行きがとても不安になります。しかもあたりは笹だらけでいかにも熊が出そうでしたが、ありがたいことに元気なパートナーがずっと歌を歌いながら私の先を歩いてくれました。
うどんや峠
 清水平は明るい広場になっていて、テント場には最適です。またこの湧き水のおいしいこと!
大袈裟ではなく、こんなにおいしいお水を飲んだのは始めてでした。あっというまに 1L くらいを飲んでしまってから、ザックを担いで登り始めると、なんだかとても体が楽で調子が良いのです。
イワツメクサ
後から考えると、軽い熱中症にかかっていたのではないかと思います。喉の乾きにまかせて飲む水分は、実のところ必要な水分の約半分しか無いそうです。無理をしてでも水分補給をしなければならないということです。幸いにも、そこからは汗もたくさんでて足もおもしろいくらいに前に出るようになりました。
ウドンヤ峠からはゆるやかな尾根歩きで、よく整備された道を快適に歩きます。白い花をつけたナナカマドがちらほら見られるようになると舟窪、ここからは展望がよくなり、南は遠く空木岳がどっしりと構え、前方にはこれから向かう伊那前岳がそびえます。タカネスミレ・コイワカガミ・チングルマ・タカネスミレ・イワツメクサ・・・かわいらしい高山植物のお花畑が見事で、何度も立ち止まっては「かわいいねー」を連発。
 
朝はあんなにも天気が良かったのに、午後になると雲行きが怪しくなり、尾根上はものすごい風に見舞われて、とても半袖では歩いていられません。霧が上がったり下がったりする中、宝剣岳の荒々しい岩峰が見え隠れし、乗越浄土が近づいてきました。
あたりは、やたら中学生(?)の集団が多くとても賑やか。そういえば、この北御所登山道は学校登山でよく利用されるとか。
 一方、テント場で野営するのは、たったの3パーティーのみで、静かな夕食をテントの中でとりました。夜になっても雲がかかり、残念ながら星をみることは出来ませんでしたが、下駒ヶ根市街の灯かりが宝石のようにひかりとても綺麗でした。


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   ツーリングテントなので前室が広い!
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二日目
眼下に駒ヶ根高原、遠くには富士山までもが望める

翌日になっても雲は切れませんでしたが展望は良く、木曽駒ケ岳からは南アルプス・八ヶ岳・御岳山・乗鞍岳・北アルプスと360度の大パノラマです。登ったことのある山はなんとなく親しみがわいて、心の中で声をかけてしまいました。次回登る仙丈ケ岳も少し意識が違います。
 賑やかな中学生たちの集団が宝剣岳にあふれかえったらどうしよう・・・と不安でしたが、どの学校も乗越浄土から千畳敷に向かって下山してしまいました。宝剣岳の頂上では狭く人一人が立てるくらいの立岩によじ登り、はいポーズ!。3度目の登頂です。極楽浄土ままでの縦走路を慎重に下ってきたころ、雲が切れてお日様が見えてきました。
 もうここからは貸切登山道のように静かで、ロープーウェイ日帰り登山者がいかに多いかを物語っているようです。桧尾岳は鼻歌交じりで歩いていけそうな距離に見えるのに、何が何が、意外にアップダウンが激しくて、なかなか近づきませんし、それに長々と山の麓に続く桧尾根を見ていると、まだ先の長い道のりにどっと疲れが出てきます。縦走路というのは困ったもので、休憩をとるタイミングがつかみにくく、ついくたくたになるまで歩いてしまいます。きちんと時間をみながら軽い休憩をとった方が後々楽なのだと、反省。
 桧尾岳ではゆっくりと昼食をとりながら展望を楽しみたかったのですが、あいにく水筒の水は空っぽで、楽しみのラーメンを作ることも出来ません。姿の整った空木岳と三の沢岳をバックに記念撮影をすませると水場を求めて下山を始めました。
檜尾根

 北御所登山道に比べて桧尾登山道は歩きにくく、やせた尾根を登ったり下ったり・・・迷うようなところはありませんが、歩けど歩けど高度が下がらない感じでとても疲れます。見事なダケカンバの林の中を黙々と下り、赤沢ノ頭へ。ここからは笹の中をジグザグに下るだけなのですが、とにかく恐い! 間近で笹の中を移動する動物の気配がするのですよ。動物の正体が熊かどうかわかりませんが、とにかく大きな声を出しながら夢中で下山しました。ようやく車道が見え隠れするころ、雨が降り出して、登山口に着いた頃は大降りに。ホッとする間もなくヤッケを着て、駒ヶ根Pへ歩き出しました。約1時間の車道歩きを終えて駐車場に着いたころには雨もあがり、雲の切れ目から姿を現した宝剣岳を眺め、2日間の長い山行に大満足の二人でした。
                                                                                           (報告者:A)

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